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カフェ経営で一番大切なのは『忍耐力』です(cafe ALAmi 木村智美さん【個人カフェオーナーインタビュー Vol.2】)
2017年10月09日

こんにちは、DUマガジン編集部のつるたです。
個性豊かで、魅力的な個人カフェ。
DUマガジンでは現役の個人カフェオーナーさんに、
開業するまでにはどんな苦労があったのか、
実際にカフェをオープンさせたオーナーさんだから語れる体験談をインタビューしていきます。
今回は、2014年から東京都北区志茂にて『cafe ALAmi』をスタートさせた木村智美さんにお話を伺いしました。
木村さんは、カフェを始める前までごく普通のサラリーマンとして働いていましたが、インドネシアの魅力をもっとたくさんの人に知ってもらいたい! と、開業準備を進め、カフェスクールに通いながら個人カフェをオープンさせました。
ほぼ未経験からカフェを開業させることにはどのような努力があったのでしょうか?
先輩のお話に耳を傾けてみましょう。
開業したきっかけは〝健康ドリンク『ジャムウ』″を日本に広めたかったから
__本日はどうぞよろしくお願い致します。木村さんのお店はインドネシアのお料理やコーヒーがたくさんありますが、どうしてインドネシアをコンセプトにされたのでしょうか?
もともと、インドネシアに在住していたことがありまして。帰国後も、日本の会社でインドネシアの方々の支援をする仕事をしていました。
在住時から飲んでいた『ジャムウ』というハーバル・ドリンクを日本の人に知ってもらいたいと思い、開業することにしました。
※ ジャムウ(JAMU):インドネシアに古代から伝わる民間療法で、ハーブや香辛料などを調合して作られた健康増進のためのドリンク。日本でいうと、ハーブティーや漢方薬に近いもの。
__インドネシアにお住まいだったんですね。
そうなんです。お店のコンセプトは『インドネシアの雰囲気を味わいつつ、のんびりできる地域のカフェ』として、常連さんを中心にたくさんの方に楽しんでいただいてます。今年でオープンから3年を迎えました。現在は4年目に突入です。
__どんなメニューを提供されているんですか?
インドネシアの9種類のスパイスを使用した「ジャワカレー」が一番人気です。コーヒーもインドネシア原産の豆を現地に行った際に仕入れてきたり、海外に駐在している友人から仕入れた珍しいコーヒー豆をお店でも提供しています。
__現地の直送のコーヒーも楽しめるんですね! 木村さんは未経験から開業でしたが、色々と苦労は多かったのではないでしょうか?
学生の時にとあるコーヒーチェーン店で働いていたので、飲食についてはなんとなくわかっていました。しかし、確実な知識を身に付けるためにサラリーマンしながらカフェスクールに通っていました。必要なことがしっかり学べて良かったと思います。開業となると何よりお金が必要です。サラリーマンでしっかり開業資金を貯めて、オープンギリギリまで働きました。
コーヒーの知識は素人だった。だからこそ、わからないことはプロに任せる
__カフェスクールではどのようなことを学ばれたんですか?
開業に必要な知識をたくさん勉強できました。
コーヒーについては、自分で飲んで「うん、美味しいなー」と嗜む程度だったので知識については素人でした。でもお店は開きたいし、ジャムウだけの店では難しいだろうなと思って。カフェとしてのメニューをしっかりとお客様へ提供できるよう、コーヒーについても勉強しましたよ。
__実際に学校でコーヒーの授業を受けてみてどうでしたか?
最初はハンドドリップで提供しようかなと思っていたので、機材も揃えて、本も読んで、豆のことも勉強したのですが、何度淹れても同じ味にならなかったんです。「このままじゃお店では提供できない!」と焦っていた時に、スクールのレッスンでサイフォンの実習がありました。 やってみたら、味も安定して抽出できたし、そこからサイフォンで淹れるようになりました。
__サイフォンで淹れるって難しい印象がありますが・・・。
街中のカフェでもサイフォンを使っているところがあまりなかったので、ちょっと不安はありました。 でも私にとっては一番しっくりきたし、サイフォンだったら毎回同じクオリティでご提供できるという自信があったので、「これにしよう!」と決めました。あと、学校で「実践」できる機会が多くあったことが良かったです。
本当、コーヒーの淹れ方って人によって得意・不得意が分かれるので、色々とチャレンジして自分に合うもの、しっくりくるものを選ぶのがいいと思いますよ。
__そうですね。ちなみにアイスコーヒーはどのように提供しているんですか?
最初は、リキッドタイプを仕入れようとしていたんですが、仕入れをお願いしている業者の方にそのことを伝えたら「絶対ネルドリップで淹れた方が美味しいから! 最初から習慣にできれば、毎回美味しいコーヒーを提供できるし!!!」と念押しされて(笑)。現在もネルドリップで淹れたコーヒーを冷やしておいて、提供しています。
__念押ししてくれる人がいて良かったですね!
本当にそう思います。
仕入れについて右も左もわからなかったので、仕入れる豆の質や価格とかよりも「人柄」を重視しました。人柄がよければ、きっと長くいいお付き合いができると思って。それに、「この人なら親切に色々と対応してくれそうだな」と感じたのです。カンです。そうゆう方って、いざという時ちゃんと助けてくれるんです。
カフェをやりたいなら『忍耐力』が一番大切、あと体力
__実際にカフェをスタートしてみて気がついたことはありますか?
カフェって始める前は、食事やドリンクを提供することがメイン業務だと思っていたんですけど、実際に始めてみると「こんなにもお客様ってコミュニケーションしたいんだ!」ということに気がつきました。なので、今のメイン業務は何? って聞かれると「お客様とのおしゃべりです」と答えます(笑)。
始めてみてわかりましたけど、お客様が個人カフェに求めているのって、美味しいコーヒーや食事だけじゃなくて、大事なのは「プラスα」の部分なんだと感じています 、私とお客様との会話だけじゃなくて、初めましてのお客様同士でも打ち解けて楽しくお話していたり。実はご近所さんだったんだけど今まで話をしたことがない・・・なんて方々がうちのカフェを通じて仲良くなっているところを見ると、嬉しくなりますね。
__素敵ですね〜。どんなお客さんがいらっしゃいますか?
ご近所の方々がほとんどです。割合でいうと男性の方が多めです。カフェのFacebookページを作ったり、SNSも活用していますが、新規できてくれる人のための情報発信というよりも、常連さんが「あれみたよ〜」なんて話をするようなきっかけに活用しています。
今後はもっと幅広く情報を発信していきながら、初めてのお客様もたくさんご来店いただきたいなぁと思います。
__今後はどんなお店にしていきたいですか?
常連さんが多いので、インドネシア色を出して行くのは、イベント等の時に限定して、普段はもうちょっとカジュアルなお店づくりにしていきたいと思います。
地域に根ざして、地域の方々に居心地がよい空間だと思ってもらえるような場所にしていきたいですね。
__これからカフェを始めたい方へメッセージ等あればお願い致します。
カフェを始めたい・・・って学校に来る方って、本当キラキラしているんですよね。だから業界としてもすごく華やかな印象を持っている人もいるかもしれませんが、体力と忍耐力がないと続けられない仕事だと思います。
だからといってきつくて大変なだけってことではありません。 カフェを始めたことで、今まで出会えなかった人、接点を持てなかった人たちと出会えるってカフェオーナーだからこそだと感じています。だって、サラリーマンのままだったら、ほとんど知り会えていない世界の人たちだと思いますよ(笑)。自称「画家」、謎の占い師、小説家志望のフリーター青年、映画監督を目指すアメリカ帰りの青年等々、バラエティー豊かでとってもユニークです。いろんな大変なことを乗り越えた先に、楽しい世界も待っています。 これからカフェを始めたい! という方は、体力と忍耐力を身につけて、一歩一歩前に歩んでもらいたいと思います。頑張ってください!
__今回はお時間をいただき、本当にありがとうございました!
〈店舗情報〉
cafe ALAmi
住所:東京都北区志茂2-39-11 グリオ志茂1F
電 話:03-6454-4559
定休日:月曜日
URL:http://kojincafe.com/cafes/cafe-alami/
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